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◎ 歯はいつミガクのが効果的か
食べたらみがく、これが正解です。なぜならば、食べ物の中にある糖によって歯垢ができ始め、歯が汚くなるからです。第2の理由は、歯垢の中に取り込まれた糖が細菌の働きで酸に変わるからです。長いあいだ歯が酸にさらされると、虫歯になります。なので、できるだけ早く歯をみがくのが大事です。
そうなると、毎食・間食後に歯を磨かねばなりません。ご家庭はもちろんのこと、職場にも歯ブラシを置いてください。また、最近は人に会う前に歯を磨くという人が増えてきています。口臭を考えた時、大変良い方法だと思います。
ミガク時のチカラの入れ方は、200~300gぐらいの力が適当と言われています。皆さん、ご自身の歯ミガキのあり方を、もう一度見直してください。
◎ 顎関節症の治療って
顎関節症の治療を始めるにあたり、まず、痛みが激しい場合には苦痛を軽減させるためにマウスピース(スプリント)を歯につけて、それを噛むことによって痛みを取り除きます。さらに痛みがひどい場合には、薬物療法(痛み止め)にて対処することになります。このマウスピースや薬物療法は、一時的な効果は得られますが、根本的な原因を取り除くものではありませんので、痛みが和らいだ段階で本格的な検査・治療を行います(長期間、マウスピースや薬物療法を行うと悪化することもありますので、早めに原因を取り除く治療を行います。通常は、本格的な噛み合わせの治療をする必要が多くあります)。
治療を行う場合、コンピュータを使って精密に検査を行い、その検査結果に応じて治療方法を検討します。代表的な治療方法としては、矯正治療によって噛み合わせを治す場合や補綴(ほてつ:差し歯や入れ歯)によって噛み合わせを正しい状態にするなどがあります。
噛み合わせの治療が終わってからは、再発防止のためにも、定期的な診査を続けるといいでしょう。大林歯科医院では、顎関節症の本格的な検査・治療から定期健診まで実施しておりますので、顎関節症でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
◎ ブラッシングについて
歯磨きで大切な事は、「磨く」ことではありません。お口の中に歯ブラシを入れてただ磨いていても、あまり意味がありません。
そもそも「磨く」という単語が誤解を招いているのだと思うのですが、大切なことは歯や歯茎に付いた汚れを落とすことなのです。汚れは歯にしっかり付着しているので、落とすという意識を持って磨かないとなかなか落ちません。
特に自分が苦手な場所、歯ブラシのみでは落ちない場所等々、磨き残しが起こりうる箇所は多々ありますが、口内環境を正常に保つにあたって効果的なことは、やはりご自宅での日々の管理・ブラッシングが一番です。勿論私達も医院で最善を尽くします。しかし、バッグやオーディオ機器と同じように、歯も長く使うためには日々のメンテナンスが必要です。歯は「使えなくなったから新しいものを買ってくる」というわけにもいきません。皆さんもより良い方法、自分の癖を知りしっかりお口のメンテナンスをしてください。弊院では歯磨きの指導も行っております。歯磨きに自信がない方、磨き残しが気になる方は気軽にご相談下さい。
◎ 保険診療と自費診療の違いについて
保険診療とは、誰もが平等な治療が受けられるように考えられたとても良いシステムです。
しかし、国の財政上、限られた材料・手順(検査方法など)でしか治療が認められていないため、常にベストな治療が出来るとは限りません。しかも、歯科における保険診療の目的は、『噛める』ようにすることであり、『快適に噛める』ことではありません。つまり、快適に噛めるようにするための『矯正』や『インプラント』、『セラミック』などの高度な技術や高価な材料を用いた治療には適用されません。そのために保険診療で治療すると、数年おきに再治療を強いられることが多くなります。結果として、より長い期間や費用がかかってしまう可能性があります。
自費診療は、高額な治療というイメージが強いようですが、歯の強度やかみ合わせのバランスを考えて精密に作製するため、最も歯を大切にし、もっとも再治療の少ない方法でもあります。より高い技術で『快適に噛める』ことを目的とした治療を行うため、保険適用がされず料金は高くなりますが、対価に応じた快適な噛み心地と審美性が得られます。料金を高いと感じるかどうかは、その噛み心地を実感できるかどうかになります。当院では、事前に十分な説明を行い、料金等も示しております。十分な経験とデータに基づいた診療を行いますので、対価に見合った満足感を得ていただけると思います。お気軽にご相談ください。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(過換気症候群)
過換気症候群は発作的に起こる一過性の過剰換気により心身両面にわたる多彩な症状を呈する病気で、呼吸器心身症あるいは自律神経失調症の関連疾患として理解されています。
通常、成人では1分間に18回前後である呼吸数が、発作時には倍以上となって深く速い呼吸へと変わります。この呼吸困難感は「空気が足りない、息が吸えない」などの「空気飢餓感」として表現されますが、「激しい動悸や胸部の絞めつけ」、「腹痛や嘔吐」、「手足のしびれや筋の硬直」、「痙攣や意識障害」あるいは「死の恐怖や不穏・錯乱状態」といった精神神経症状なども出現します。また非発作時でも自律神経の失調症状や発作に対する不安や恐怖が存在するため、ちょっとした情動変化が発作誘発の火種となってしまいます。
患者は10代後半~30代前半の女性が7割を占め、40代半ば過ぎから激減しますが、最近は男性や高齢者における発作も少なからず認められています。発作は月に1~2回、1時間以内のものが多いのですが、若い女性では発作を頻繁に反復することも少なくありませんし、発作が2時間以上に及ぶこともあります。患者さんの多くは性格的な問題はありませんが、依存的であったり、強迫的であったりすることもあります。
発作時は過呼吸のために酸素が過剰に体内に摂取されて動脈血中の酸素が増加し、逆に二酸化炭素が排泄されて低下するため、酸とアルカリのバランスが崩れて体がアルカリ性に傾いてしまいます。必要に応じて脳波や心電図、血糖値、血清Ca、甲状腺機能などの検査を行いますが、治療は紙袋やビニール袋を用いて自分の呼気を繰り返してゆっくりと吸わせ、低下した動脈血の二酸化炭素分圧を上げて正常化させます。
学校や職場での過換気発作の出現は、その後の患者の人生や行動を制限してしまうこともあり、教師や職場の上司など関係者の十分な理解が必要です。歯の咬み合わせを改善してやると情緒的に安定し、発作が起きにくくなることが知られていますが、日頃からゆっくり深く呼吸する習慣を身につけることが肝要です。
◎ 見た目と機能が元通りに 最新治療で食べる楽しみをインプラントに
近ごろ「インプラント」という言葉をよく見聞きし、ご存じの方もいらっしゃると思います。しかし、詳しく分からない方も多いことでしょう。
昔は、虫歯、歯槽膿漏、事故などで歯を根っこから失った場合、代わりの歯を入れるには、入れ歯かブリッジで対応するしかありませんでした。
特に、何本も歯が無くなったり、奥歯を失くしたりした場合は、取り外し可能な入れ歯にせざるを得ませんでした。しかし、入れ歯をしている方は、いろいろなわずらわしさを感じていらっしゃるでしょう。強く噛めない、痛い、気持ち悪い、手入れが面倒、味がしないなど、苦労されていることでしょう。
これらの問題を解決できるのが「インプラント」です。歯を失った部分の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に歯を入れるもので、ほぼ元の機能や見た目を回復することができます。
当院でも近年インプラントにする方が増え、特に入れ歯で苦労された方には「非常に快適」 「食事が楽しみになった」と喜んでいただいております。
ただし症例によって、入れ歯やブリッジの方が適する場合もあるので、気になっている方は歯科医によく相談されるとよいでしょう。
◎ 見た目と機能が元通りに 最新治療で食べる楽しみをインプラントに
近ごろ「インプラント」という言葉をよく見聞きし、ご存じの方もいらっしゃると思います。しかし、詳しく分からない方も多いことでしょう。
昔は、虫歯、歯槽膿漏、事故などで歯を根っこから失った場合、代わりの歯を入れるには、入れ歯かブリッジで対応するしかありませんでした。
特に、何本も歯が無くなったり、奥歯を失くしたりした場合は、取り外し可能な入れ歯にせざるを得ませんでした。しかし、入れ歯をしている方は、いろいろなわずらわしさを感じていらっしゃるでしょう。強く噛めない、痛い、気持ち悪い、手入れが面倒、味がしないなど、苦労されていることでしょう。
これらの問題を解決できるのが「インプラント」です。歯を失った部分の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に歯を入れるもので、ほぼ元の機能や見た目を回復することができます。
当院でも近年インプラントにする方が増え、特に入れ歯で苦労された方には「非常に快適」 「食事が楽しみになった」と喜んでいただいております。
ただし症例によって、入れ歯やブリッジの方が適する場合もあるので、気になっている方は歯科医によく相談されるとよいでしょう。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その11)
自分の歯に勝るものは無いことは、再三再四申し上げてきました。それはたとえ入れ歯になったとしても、いえ、入れ歯になったからこそ自分の歯の大切さは増すのです。いろいろな食材の微妙な食感を認識するのは、まさに自分の歯に付いている「歯根膜」という組織なのです。美味しさは“味”だけでなく、“感じる”ことも大きな要素なのは、皆さんがご承知のところです。
しかし、入れ歯になると自分の歯の負担が増し、数年でその負担に耐えかねて「抜歯」の憂き目に会います。ですから、徐々に入れ歯は大きくなり、歯は少なくなっていきます。最後には総入れ歯です。そこで、インプラントが大きな役目を果します。
症例10 N・S 63歳女性。上には3本の歯しか残っていません。
ところが、下の歯は2本抜いただけで、ほぼそろっている状態でした。このままでは上の3本の歯が負けてしまい、近い将来、総入れ歯になるのは確実でした。
そこで、残っている3本の歯の横に2本のインプラントを植立しました。自分の歯にかかる大きな負担の大部分を、インプラントに持たせよう、と計画しました。結果は予想通り、残っている3本の歯は、5年経っても全く健康な状態で機能しています。今でも好きな食べ物の食感を楽しんでいらっしゃいます。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(更年期障害)
人間の身体の機能を調整するうえで重要な働きをするものにホルモンと自律神経が知られています。ホルモンと密接に関係する自律神経が乱れやすい不安定な人では更年期に症状があらわれやすくなります。これらの一因として不正咬合が関与しているとも考えられます。加齢とともに長年にわたる歯ぎしり・歯の噛みしめなどによる歯の咬耗、摩耗で不正な噛み合わせが起こり、身体全体のバランスも崩れ、自律神経、内分泌(ホルモン)のバランスも微妙に変化してさまざまな婦人病の原因になってきます。もともと不正な歯の噛み合わせがある人の方が早く更年期になるようです。
日本人の平均的な閉経年齢は50~51歳くらいですが、この閉経をはさんだ前後10年間を更年期と呼んでいます。近年では初潮年齢が下がり、閉経が早くなっていることが報告されています。更年期は、女性のからだが成熟期から老年期に移行する過渡期であり更年期症状といわれるさまざまな症状が心身に現れ、日常生活に支障をきたす人もいれば、それほど影響なく過ごせる人もいます。更年期にいたって心身の変調を示すことなく日常生活を行える女性は、更年期婦人の約25%とされています。これに対して2人に1人(50%)は、軽い程度の心身の変調を自覚し、残りの25%は心身の不快な症状に悩まされています。更年期症状としてよく認められる身体に現れる症状として「ほてり・のぼせ」「発汗」「動悸」「頭痛」などが知られています。また精神の症状として「睡眠障害」「抑うつ」「不安」「イライラ」「過敏」などもあらわれやすいようです。
女性は、更年期になると卵巣機能が衰え、ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下し、閉経を迎えます。女性にとっては精神的にも肉体的にも影響を受けやすい時期であり、それに加えてホルモンのバランスの乱れが自律神経にも影響を与えるためと考えられます。更年期症状で悩まされている方は、不正になった歯の噛み合わせを改善することで、心身のバランスを整え、更年期に起こるさまざまな不定愁訴が改善していき、心地よいQOL(生活の質の向上)が実感できるでしょう。
◎ 一本だって歯は失いたくありません
歯の治療というと、削ることと抜くことを思い浮かべる方が多いと思いますが、本来歯の治療は抜くのではなく歯を救う治療にすべきなのです。
程度にもよりますが、虫歯が神経にまで進んでいる場合や、歯が折れて神経に傷が付いている場合でも、抜かずに治療できます。歯の根が膿におかされても同じです。
歯はできるかぎり抜かずに使う、これが最も賢い方法です。
しかし、不幸にも歯を失い入れ歯で苦労している人が多いのも現状です。
現在の入れ歯は進歩しており、針金を使わず歯と入れ歯に磁石を入れるものもあります。吸着することで安定し見栄えもよく、しかも歯に優しい入れ歯です。又、総入れ歯も従来の物とは違い、上顎を被う部分を薄くできます。それにより会話も滑らかになり、温度、味覚をも阻害せず、非常に快適に生活できます。
それでも入れ歯が嫌だという人は、インプラントという人工歯根を顎の骨に埋め込む方法もあります。
現在、歯槽膿漏で顎の骨が溶け、歯がグラグラしている人も諦めないで下さい。歯グキに骨を作る人工膜を入れ、歯のぐらつきを改善させる治療法もあります。
ここまで読むと希望が湧いてくることでしょう。歯は失って初めてその大切さがわかるものです。たった1つしかない大切な歯です。失わないように十分注意しましょう。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その10)
抜いた歯が1~2本の場合、しかも他の歯がそろっていると、食事を摂るのに不便を感じません。痛くもないので、ついそのままにして置くと、すぐに2~3年が過ぎてしまいます。ある時、他の歯が悪くなって不便を感じるようになり、相談に来ます。「インプラントをしたい」と。
症例9:名前、年齢不詳。女性。3年前に、右下の2本の歯を抜いた場所に、インプラント治療を希望。
診断結果:インプラント治療不可能。部分入れ歯も不可能。
解説:歯は抜いたまましておくと、反対の歯、つまり、上の歯を抜いたら下の歯が、下の歯を抜いたら上の歯が、延びるようにして移動します。そして、抜いた場所の歯肉に到達して歯は止まります。結果、歯を植えるスペースが無くなり、インプラント治療が不可能となるのです。この患者さんの場合は、反対の歯は無傷の歯でしたが、この良い歯も一生使うことなく終わることになります。「もったいない」
歯は合計28本あるので、仮に1~2本無くしても、他の歯で負担を補いますが、数年経つうちに、やがてその歯も負担に耐えかねて悪くなってきます。インプラント治療をすることで、自分の歯の負担を軽減して、歯を長持ちさせます。歯を抜いたら、そのままにして置かないのが賢明なようです。
◎ もっと気軽にインプラントを
インプラントの歴史は意外に長く、すでに40年以上になる。しかし「日本ではまだ誤解されている部分が多い」と佐野院長。
「インプラントは世界ではすでに60万人以上が体験、快適さを実感しています。治療は歯を抜くより簡単。装着後は痛みや違和感とは無縁で歯本来の機能を保てる、優れた治療法です」
同院が使用しているのは『ブローネマルクインプラント』。インプラントの草分け的存在で、現在もなお世界中で使用されていているものだ。佐野院長がこのインプラントを選んだ理由は「多くの治療実績があり安全性も実証されているから。
様々な症例における対処法も確立されているので安心ですし」
『安全』に細心の注意を払う同院ではほとんどの治療器具がディスポーザブル。感染症などの心配がないのも安心だ。
「当院では、最新の3D(CT)撮影も導入し、インプラント治療がより正確で安全に行えます。歯を失って不安や悩みがあったらぜひインプラントを試していただきたい。手軽さと快適さにびっくりしますよ」
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(高血圧)
私たちの体には血液により栄養分や酸素、老廃物や二酸化炭素を運ぶため、体中に血管が張り巡らされていますが、この血液をスムーズに流すポンプの役割をしているのが心臓です。心臓が全身に血液を送り出すため行う収縮・拡張の動きか血管壁におよぼす力を血圧と呼び、正常値は120/80mmHg前後ですが、WHOの基準では収縮期である最高血圧が140mmHg、拡張期の最低血圧が90mmHgを超える場合を高血圧症としています。
血圧の調整には神経系や内分泌系などが複雑に絡み合い、日内変動のあることが知られていますが、年齢、体質、疲労、気温、ストレス、感情変化などいろいろな条件で変化します。特に内臓や血管をコントロールしている自律神経はストレスの影響を受けやすく、過度にストレスがかかると血圧調節のバランスが崩れ、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息切れなど高血圧にともなう自律神経様症状が出現してくることは、日常診療でもよく経験するところです。高血圧の怖さは心臓、腎臓、脳などいろいろな臓器に障害が起こることですが、動脈硬化の危険因子である肥満、糖尿病、高脂血症などをともなうことによって発症しやすくなるため、近年は健診でもメタボリック症候群としてチェックに力が入れられています。
高血圧症は身体に明らかな障害のない本態性高血圧と原因となる病気を有する二次性高血圧にわけられますが、約3000万人以上といわれる高血圧患者の多くが本態性高血圧であり、この中には歯の噛み合わせを改善して全身の筋肉の緊張を和らげ、自律神経のバランスを整えてあげるだけで自然に血圧が改善してくる人たちが少なからずおります。
以前、私たちは患者さんおよび主治医の協力を得て、高血圧症の7名に噛合改善術を実施しましたが、うち6名で血圧が正常化し、内服薬を中止できました。また残りの1名も軽症となり、降圧剤の減量が可能でした。もちろん原因がある場合はその治療が第一ですが、特に有意な所見がないのに症状が続く場合は、歯科的アプローチも検討してみると良いでしょう。
◎ 思春期と歯の噛み合わせ(2)
思春期に入りますと歯の萌出が終了し、個人の歯の噛み合わせもほぼ定着します。不正な噛み合わせは顎関節や咀嚼筋の障害をまねいて、不眠、頭痛、肩こりなど、不定愁訴の原因となり、特に慢性の睡眠障害の悪影響は、疲労感が残る、体がだるく思うように動かない、やる気が出ない、イライラして物事に集中できない、すべてに余裕がなく周囲に無関心…など、心身のストレスが高まってきます。社会的に未熟な自我を持つ子どもたちはキレやすく、自己中心的な言動で周囲を困らせたり、喫煙、飲酒、盗癖、暴力、家出、薬物、援交などの反社会的行為に走ったり、円滑な対人関係が保てずに不登校や引きこもりなどの問題行動を起こしやすいのですが、この原因・誘因のひとつに歯の噛み合わせが関与していることがわかってきました。すなわち脳内生理活性物質のひとつであるセロトニンは睡眠・覚醒リズムに関与し、鎮静作用や抗ストレス作用を有しますが、この不足が集中力や理解力、判断力を低下させ、易怒性(怒り)や攻撃性を高めるのです。セロトニンの分泌がスプリントによる噛み合わせの調整で改善することは、日本睡眠学会で発表しましたが、歯科のトラブルが心の発達にまで影響を及ぼすのは興味深いものです。私の診療所でも神経症や仮面うつ病などの病を抱えて来院する患者さんが増えており、歯科医が「歯だけ診ればよい」時代は去りつつあるように感じています。歯は見た目の美しさも大事ですが、まずは歯自体が持っている機能を重視せねばなりません。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その9)
複数本の歯を失うと、ブリッジという固定性の義歯は不可能で、いわゆる「部分入れ歯」をいれることになります。失った歯の本数が多くなると、当然のこととして、入れ歯の不安定さが増し、噛む能力が低くなります。
症例8:H・H、女性60歳。
主訴:入れ歯が動きやすい。この方は下の歯が右に2本しかありませんでした。それに対して、上の歯はほとんどそろっていました。下に部分入れ歯を入れているのですが、左に全く歯が無いので、左で噛むと、噛みにくいだけでなく、入れ歯が浮いて、その下に食べ物の一部が入り込んで痛くなります。どうにかしたい、ということで来院されました。
治療方針:左の下にインプラントを2本植立して、入れ歯の安定を目指す。
インプラントは多ければ多いほど、その効果は増すのですが、とりあえず2本で対処しました。手術の後は傷口が開くので、2週間ほど入れ歯を預かるのですが、前号でお話をした、仮のインプラントを使って、手術の当日から入れ歯を使っていただきました。
治療効果:効果は絶大でした。インプラントが効力を発揮するまでには3カ月を要しましたが、その後は、左で強く噛むことができるようになり、食事が楽しく、楽になった、とのことでした。むろん、インプラントが1本でも効果が大きいのは言うまでもありません。
◎ 歯医者さんに聞いてみよう その1
矯正歯科治療と言うと、見た目のきれいさばかりを求める人もいますが、最も重要なことは機能性でしょう。機能性がしっかりしていれば見た目も美しくなります。不自然な位置にある歯やあごの形を整え、しっかりした噛み合わせと、美しい歯並びをつくりだすことによって、体のバランスを整えることが大切です。
子供の頃はかわいいなどと言われる八重歯なども、歯並びが悪いままにしておくと、様々な問題が起こることがあります。歯磨きがしにくいために虫歯になりやすかったり、
噛み合わせが悪いため、きちんと噛めないことから消化不良を起こしやすくなったりします。そうした悪影響は、からだの発育や、あごの関節にまで悪影響を与えることがあります。
最近、不定愁訴といわれる原因の分かりにくい首や肩の凝り・耳鳴り・めまい・頭痛などの症状も悪いかみ合わせや顎の位置がずれたりすることによって起こることがあるといわれています。
歯並びがよくなると、食べ物をしっかりと噛むことができ、歯磨きもきれいにできるので、虫歯になりにくくなります。また、しっかり噛めるので消化もよく、健康にもよいでしょう。大林歯科医院では、矯正歯科治療を行う際に、コンピュータで精密な検査・診断を行うことができますので、様々な症状に対応することができます。歯並びなどで現在お悩みの方、不安のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(肩こり)
先年行われた「有訴率調査」で最も訴えの多かった症状は、女性は肩こり、男性は腰痛でした。肩こりの原因はさまざまですが、多くは生活習慣や心身ストレスが要因となっており、検査をしても五十肩や胸郭出口症候群、変形性頚椎症、頚椎ヘルニア、頚椎捻挫のような器質的異常が認められるケースばかりではありません。
肩は昔から、肩身が狭い、肩の荷を下す、肩を落とす、肩をいからせる、肩で風を切るなどの文言に示されるように、心身状態と密接な関係を有する部位として認識されてきました。肩こりを医学辞書で引いてみると「首筋や首のつけ根から肩甲骨中部の筋肉が重だるく張った感じとなり、時に鈍痛を伴う状態で、主観的には極めて不快な感覚で、頭痛や吐気を訴えることもある」と解説されています。
首から肩にかけては僧帽筋、肩甲挙筋、三角筋など大小多くの筋肉がありますが、これは5キロもある頭部を支えながら複雑な運動をさせることが必要だからです。筋肉が活動するには酸素と栄養が必要であり、筋肉中の血管には常に十分な量の血液が流れていなくてはなりません。血流が不足すると筋肉は酸欠状態となり乳酸などの老廃物がたまってきますが、それが引き金となって筋肉細胞から放出された発痛性物質が周囲の神経組織を刺激して「こりや痛み」が誘発されます。この炎症はさらに筋肉や血管を緊張・収縮させるため悪循環に陥ります。
肩こりで一番多いのはパソコン作業や書き物など長時間のデスクワークや、それに伴う不良姿勢によりおこる筋肉疲労です。また運動不足や眼精疲労、やせすぎや太りすぎ、女性では冷房による体の冷えや下着の締め付け、更年期などでも肩こりを訴えますが、いずれも局所を揉みほぐしたり、軽いストレッチを行うと楽になる傾向があります。
しかし骨・関節の病気や内臓の病気、歯科領域の咬合不全や噛み締め、虫歯、歯周病などが原因の場合は軽快せぬ場合が多いので、難治な時は医師に相談する必要があります。ちなみに難治性肩こりの患者に行った当院のスプリント療法による改善率は6割でした。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その8)
歯は毎日3回、おやつなどを入れると4回か5回、咀嚼のために使います。入れ歯といえど普段から使用していると、一日でも、いや、一回でも使えないと不便を感じるのは想像に難くないでしょう。
入れ歯の方には、インプラントが非常に有効、有益であることは以前にお話をしました。入れ歯の方がインプラントの手術を受けると、歯肉を縫うのでその傷口が開かないように、今まで装着していた入れ歯を10日から2週間の間、使用を控えていただきます。
奥歯だけの入れ歯なら我慢ができても、前歯が絡んだ入れ歯となると、見かけが悪くなり、患者さんに精神的な負担を強いることになります。むろん、手術が成功するのが第一目的ですから、仕方のないことではありますが、最近では仕事で活躍されている方も多く、人と接する都合上どうしても入れ歯を装着したいという方が多くなってきました。
そんな時に役立つのが、「仮のインプラント」です。直径1・8mmの細いインプラントを、本物のインプラントの間に、手術時に入れておきます。そのインプラントは1~2カ月は作用して、入れ歯がその下の歯肉にダメージを与えないようにしてくれます。そんな「つっかえ棒」のようなインプラントもあり、結構患者さんには好評です。
◎ なかなか治らない。また悪くなる。
「歯医者に通っているけどなかなか治らない」「すごくお金を使ったのに悪くなる」という言葉を患者さんからよく聞きます。病気に原因があるように、歯科治療においても、原因をいかに除去、或いは改善できるか、ということが大切です。
口腔を健康に保つには、補綴物(被せ物)に至る前の正しい治療(基礎治療)が大切です。歯及び周囲組織の適切な改善、そして神経筋機構と、バランス、要するに口腔の改善が必要となります。その上で自分の体の一部になる補綴物には、良い材料を選ぶべきでしょう。見えない部分の治療がうまくいってないと、やがて骨を壊し高価な補綴物代が生きてきません。
しかし現状の保険制度のもとでは、補綴物以外の治療は全て保険として一律に扱われ、治療の良し悪しはその中に埋没してしまっているように思えます。
私は保険治療だからといえ、基礎治療に常に最善を尽くすべきだと考え、当院では以前から「高価な補綴物に関しては後の保証」を取り入れています。
患者さんの治療後の口腔の補償までを視野に入れていればこそ、基礎治療を重視しているのです。家を建てるのに、外見上いくら高価な材料を使い、見た目をよくしても、
基礎を含めた目に見えない所が大切であるのと同じように、歯科も基礎治療が大切なのです。基礎治療とは、根っこの治療、歯周治療(外科・骨再生など)そして矯正や咬合バランスをとることにまで至ります。
基礎治療を正しく行うには大変な時間や経費が掛かります。また、保険だけではまかなえない場合もありますが、「なかなか治らない、また悪くなる」とお悩みの方は、単純に、安い、近い、痛くない、優しい、などで判断なさらずに、基礎治療を含め懇切丁寧に説明することをモットーとする当院に是非御相談ください。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(起床時の疲労感)
寝つきが悪い、眠りが浅いなどの睡眠障害も自律神経失調症に良くみられる症状であることは前回お話しましたが、起床時の疲労感もそのひとつです。疲れたとか、体力を消耗したという自覚が乏しいにもかかわらず、全身がだるくて起きられない、やっと起きても倦怠感が残るなどの体調不良を経験したことはありませんか?
私たちは自らが意識するしないにかかわらず、体をできるだけベストの状態に保とうとする「ホメオタシス」という機能を持っています。具体的には自律神経系や内分泌系がその役割を担っていますが、喜怒哀楽など情動と呼ばれる心の変化も関わっています。通常であれば夜暗くなるとセロトニンからメラトニンが生産されて質の良い睡眠が確保され、心理的にも平穏が保たれますが、歯の噛み合わせが悪かったり、歯ぎしりや歯の噛みしめが起きると口腔周囲筋の緊張や血管・神経の圧迫がおこって、大脳の休息である副交感神経優位のノンレム睡眠(深い睡眠)が妨げられ、睡眠の深度が浅くなり時間も短くなります。睡眠中の筋電図でも心身のストレスが多くて疲労の激しい日は、そうでない日に比べて夜間の歯ぎしりや噛みしめが格段に多いことが知られています。
起床時の疲労感・倦怠感には、不安、怒り、欲求不満などの心理的な要因と疲労の蓄積や感染、生理など身体的な要因がありますが、心身両面のストレスが存在するときに特に出現しやすいことが知られており、日頃の運動不足なども一因とされています。生活の中にスポーツ(ストレッチでも可)の習慣や趣味の時間を持つことを心がけ、心身両面からのリラックスに勤めてください。
私は咬合不全を改善すると睡眠中のメラトニンの分泌が増加することを学会報告しましたが、その際の調査では90%もの患者さんが朝の疲労感が軽減し、よく眠れるようになったと答えておりました。睡眠障害は生活リズムを狂わせてメタボリック症候群やうつ状態を招くとされ、快食・快通とともに快眠は健康の要です。
充実した毎日を過ごすために、医科検診だけでなく歯科検診も受けることをお勧めします。
◎ 思春期と歯の噛み合わせ
小学校の低学年になると急に体位が向上しますが、それに伴って男女とも著しい体の変化が生じます。歯科領域ではこの成長期に永久歯の歯の生え変わりが進みますが、十四歳ころまでに第二大臼歯が生え、親知らずを除いた「永久歯列」が完成します。この時期はいわゆる思春期の真っただ中であり、大人への仲間入りをする大事な時期ですが、心身ともに未完成な故に周囲の影響を受けやすく、またバランスを崩しやすい状態にあります。歯の噛み合わせが自律神経系、内分泌(ホルモン)系あるいは免疫系に影響を与えることはすでに述べてきたとおりですが、この時期を逃さずに咀嚼(かむ)、嚥下(のむ)、発音など、歯牙の萌出から始まった基本的な歯科機能の集大成を行わねばなりません。
噛み合わせは見た目が美しいだけではダメで、機能的にも高い能力を発揮できるものでなくてはなりません。そのために顎の骨がきちんと成長し、歯も大きさや形が調和していることが大切です。また、上下の歯が正中で噛み合い、隣り合う歯と歯が正しく接触し、歯を支える組織や顎関節周囲の筋肉が正常に機能することが必要です。しかし柔らかメニューの増加やペットボトルの多飲、無理なダイエットなど若者達の食生活は乱れがちで、歯周病や顎関節症の増加が指摘されています。正しい噛み合わせは健全な肉体と精神の育成に不可欠であり、逆に噛み合わせの不備は健康を損なう一因となるにもかかわらず、無関心な親が多いのが気になります。
◎ 自分のことばで症状説明 賢く定期的なチェックを歯医者に上手にかかるには?
「歯医者に一度もかかった事がない」と胸を張れる方はいますか?健康によほど自信があっても「1回は通ったことがある」と答える方が多いでしょう。それほど、虫歯や歯槽膿漏は、誰もがかかりやすい身近な病気といえます。
「自然に回復する」ことがなく、治療しないと悪化をたどります。自覚症状がなくても、口の奥で虫歯が進んでいる場合もあります。ある日急に痛みを感じ、あわてて歯医者に飛び込んだ経験はないでしょうか。
歯医者を上手に受診するには、医師に、感じる症状をありのままに話しましょう。できれば「ズキズキ痛む」「噛むと響く痛み」など、丁寧に、自分のことばで伝えてください。それが、あなたにとって適切な治療方針を決めてもらうカギです。また、分からない事は医師にどんどん質問しましょう。自分の症状や治療法を正しく理解すると、治そうという意欲がわいてきます。
相当痛くなって来院する方が多いのですが、神経や歯ぐき周りの症状が進んでおり、治療も長引いてしまいます。少しでも「歯の異常」を感じたら、すぐに受診しましょう。定期的な検診を受け、虫歯の早期発見につなげるのが、最も賢い歯医者のかかりかたです。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その7)
歯は一度に6~7本も同時に失うことは極めて稀です。1本ずつ、少しずつ悪くなり抜けていきます。1本だけ抜いた後の治療には2種類(下図参照)あるのですが、かつてはブリッジを選択される方が多かったのですが、最近インプラントを最初に選択される方が増えてきました。理由は極めて明快です。前後の健康な歯を傷つけたくないからです。
症例7 K・K 25歳、女性。主訴:左下第一大臼歯欠損。いわゆる6歳臼歯といわれる歯で、文字どおり6歳という年齢で萌出するので、悪くなるのも低年齢であることが多いようです。
この患者さまの場合は、最初からインプラント治療を希望して来院しました。もちろん、前後の歯は、虫歯も無い、きれいな歯でした。手術も比較的短時間で、約20分程で終了、4カ月後には前後の歯と似たセラミックの歯が入りました。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(睡眠障害)
寝つきが悪い、眠りが浅いなどの睡眠障害も、自律神経失調症状に良くみられる代表的な症状のひとつです。通常は運動などで身体を疲れさせたり、気持ちをリラックスさせれば眠りにつけるものですが、自律神経失調症による不眠ではそのような姑息な手段は通用しません。頑固な不眠が3週間以上続くようなら医師に相談してみましょう。
睡眠障害にはいくつかのパターンがありますが、床についても寝付くのに時間がかかる「入眠障害」や一晩に2度以上眼がさめてしまう「中途覚醒」。自分が望む時間よりも早く眼が覚めて眠れない「早期覚醒」、また眼が覚めても十分に寝た気がしない「浅い睡眠」などの訴えが多いようです。睡眠障害は生活リズムを狂わせ、昼間に眠気をまねいたり、仕事の能率を低下させるだけでなく、不眠自体がストレスとなって「今夜も眠れないのではないか」という不安感を増強して悪循環に陥り、動悸や息切れ、呼吸困難などを引き起こすこともあります。
私はこの悪循環を断ち切るために「スプリント療法」を提案します。スプリントとはアクリルレジン製の器具を上下の歯の間に挟む咬合矯正器ですが、このスプリントで正しい噛み合わせを誘導すると、口腔周囲および全身の筋の緊張が緩和されて交感神経の興奮を鎮静化するため、自律神経のバランスが整えられ、良質な睡眠が確保されるようになります。睡眠の改善による規則正しい生活習慣の確立は自律神経の強調作用をうながして生体のリズムを整え、自己免疫力を高めるという健康回復への一連の流れをつかむことができるのです。私は不眠を主訴に来院した患者さんにこのスプリントを装着し、17名中15名、88・2%に改善を認めており、その効果を日本睡眠学会で発表しました。
不眠発症の多くは心身のストレスによるものですが、筆者はその発現から増悪には「咬合不全」の存在が関与していると考えています。スプリント自体は無害とはいえ睡眠中の患者さんにとっては異物であり体がなじむまでには多少時間がかかりますが、通常は一週間ほどで効果が現れてきます。
◎ 新学期に向けて、虫歯は大丈夫? 《PH7への挑戦》
夏休み中は朝起きるのが遅かったり、夜寝るのも遅くなったり、間食も多くなったり…、ついつい生活が不規則になり、歯磨きの回数やタイミングもずれてしまいます。そんな夏休みも終わりに近づいて来ました。そろそろ新学期に向けて健康を整えておきたいものです。
さて、お口の中はほぼPH7(中性)の状態だと虫歯になりにくいと言われています。ところが食事の後3~5分後には急激に酸性になってしまいます。PHが5,4以下になりますと、歯の一番硬いエナメル質が溶けて虫歯になっていきます。
不規則な食事や間食が続くと、PH5,4以下の状態になり、虫歯ができやすくなります。食べたら磨く、磨いたら食べない。そんな習慣を身に付けたいものです。
歯磨きは生活のリズムを作り、歯も守り、ダイエットにもつながります。
乳歯やはえたての永久歯の虫歯の特徴は多発性かつ急進性です。夏休み前に治したのにもう虫歯!そんな事にならないためには、日頃の予防が大事です。新学期が始まる前に、生活のリズムを整え、再度検診を受けてみては。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その6-2)
前号の続きです。症例6 M・S 49歳、女性。「右で噛むことができるようにしたい」2年前に右上の2本の大臼歯を抜いてから、左ばかりで噛んでいるのに不安を感じるようになりました。そこで、別の歯科医院で診察をしてもらったら、骨が足らないのでインプラントはできない、と言われて当院にきました。
骨の不足を当院のレントゲン撮影と、大学病院でのCT撮影で検査したところ、結果は「上顎洞」という鼻の横の空洞にある高さが約4〓の骨が不足と判明。この場所は上の歯を抜くとしばしば起こる現象です。
この場合、鼻の横に小さな穴を開けて、そこから骨を移植して、同時にインプラントを植立するという方法を取ります。そうすれば、1回の手術で終わることができます。非常にデリケートで時間がかかる手術ですが、成功のうちに終了できました。
骨移植は骨を削って採取するのですが、その時の振動が強いので、「静脈内鎮静法」という、麻酔医の管理下での手術をします。この方法は、患者さんが恐怖を全く感じないでできますので、1時間半ほどの手術時間も、安定した状態で受けることができました。手術をする歯科医師にとっては、手術に専念できるというのが最大のメリットです。
経過は順調で、ごく自然な感覚で食事を摂ることができるようになりました。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(症状2)
自律神経のバランスが崩れるとさまざまな症状が出現しますが、そのひとつに頭痛があります。最も多いのは「緊張性頭痛」で、頭部を締めつけられるような鋭い痛みに首や肩の凝りを伴います。頭頚部、肩の筋肉が緊張して収縮し、血流が悪くなって乳酸などの老廃物質がたまって神経を刺激するためにおこりますが、30~50歳代に多いのは、やはり精神的なストレスや過労などが背景にあるからでしょうか。
Aさんは60歳。歯の痛みと頭重感を訴えて来院されました。小学校高学年から頭痛を訴えるようになり、以来、薬を手放せないほど頻回の頭痛に悩まされてきました。治したい一心で複数の専門病院を受診して検査を受けましたが原因は不明で、仕方なく鎮痛剤を連用してきました。虫歯治療の際に顎関節症があることを指摘し、鎮痛剤の乱用はかえって頭痛によくないこと、腹ばいでの読書癖が悪いことを説明し、咬合不全の矯正を行ったところ頭痛は消失しました。
Bさんは外資系の営業マンとして活躍していましたが、意識がなくなるほどの激しい頭痛に悩まされており、救急車で運ばれることも度々という有様でした。当然、収容先ではMRIや脳波検査などを受けましたが器質的異常は認められず、悶々としていました。しかし歯の噛み合わせが頭痛に関係することを知り、ダメ元で来院されました。問診から混合性頭痛と判断しましたが、やはり顎関節症があり、歯の噛みしめも強いので、スプリント療法を実施しました。何度かの調整のあと頭痛は軽減し、大口の開口が可能となり、睡眠障害もなくなりました。今では二人とも頭痛に悩まされることもなく元気に過ごしておられますが、二人の「頭痛に悩んだ50年は何だったのでしょうか?」「咬み合わせで頭痛が治るなんて…」という言葉が印象的でした。
頭痛の改善目的で当院を受診した患者さんの統計では、21名中18名に改善(85・7%)を認めております。検査で器質的な異常が認められないにもかかわらず改善しない頭痛にお悩みの方は、ぜひ一度歯科にご相談下さい。
◎ 学童期の歯の生えかわり(2)
前回は乳歯から永久歯への生え変わりについてお話しましたが、この時期にきちんと噛む習慣をつけないと顎(アゴ)が十分に成長せず、上下の歯の中心線がズレたり、歯と歯が重なったりします。歯並びが悪いと歯ブラシが細部まで届きにくく、虫歯や歯肉炎などの歯周病、あるいは口内炎などの歯科トラブルを招きやすくなります。またこの歯並びや噛み合わせの異常は咀嚼効率を低下させ、顎の骨や筋肉の発育を阻害し、さらには消化器系への負担を増加させるため、子どもの骨格(体位、姿勢)にまで影響をおよぼします。
受け口や開口(噛んでも上下の歯の間が開いている)ではサ行やタ行の正しい発音がしづらくなりますが、構音障害やその外見が心の傷となり、劣等感の一因となることもあります。また正しい噛み合わせは大脳へも良い刺激を与えますが、咬合の不正は質の良い睡眠を奪い、情緒を不安にしますので、自らの力を発揮できないことがありえます。もしもあなたのお子さんが、イライラする、怒りっぽい、落ち着きがない、集中力がない、あるいは疲れやすい、ストレスに弱い、動作が緩慢などの症状を持っていたら、早めに歯医者さんに相談してください。
学童期は人格形成の大事な時期ですので、私の医院では歯を抜く「抜歯矯正」は行わず、九歳ごろから第二大臼歯が生えるまでの間に歯列(歯並び)を広げる「拡大矯正」を行い、自律神経やホルモンのバランスをとり、免疫能力を高めるようにしています。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その6-1)
人間でも機械でも、よく使う場所や大きな力がかかる箇所は悪くなりやすいものです。人間の奥歯でも例外ではありません。多くの場合、最初は大臼歯といわれる奥歯が傷んで抜くことが多いようです。
不幸にして「上の奥歯」が無くなったときに、反対側の奥歯に負担をかけすぎて抜くことにならないようにと、一大決心をしてインプラント治療をしようとしても、「骨が無い」と、言われることがよくあります。
インプラントを植えるのには、それを支えるための骨が最低10mmないと、年間数十万回の強い咀嚼力に耐えられません。重いものを吊るすのに、薄いベニア板では抜けてしまうのと同じ理由です。
症例6 M・S、49歳。女性。「右で噛むことができるようにしたい」2年前に右上の2本の大臼歯を抜いて、そのままで、左ばかりで噛んでいるのに不安を感じるようになりました。そこで、近くの歯科医院で診察をしてもらったら、骨が足らないので、インプラントはできない、と言われて当院にきました。
人間の体は左右のバランスで正常な機能を果しています。足でも、眼でも、左右にあるものは、その両方で十分な機能を果すようにできています。歯も同じです。この49歳の女性がどうなったかは次号です。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ(症状1)
歯科領域では歯の噛み合わせの悪さが姿勢や骨格のゆがみを招いて、自律神経の失調が起きることが知られています。今回はこの咬合異常による自律神経失調症で多彩な症状のうちよく見られるものを解説し、私たちが生活の質(QOL)を向上・維持する上で歯の噛み合わせがいかに大切かを知っていただきたいと思います。
まず患者さんの症状で必ず出現するのが易疲労感や倦怠感です。「疲れやすい」、「疲れがとれない」、「だるい」などの切実な訴えが身体症状として聞かれます。微熱の持続もよく見られる症状で、臨床検査で有意な所見がないにもかかわらず37度前後の微熱が長く続く時は、本症を疑ってみます。
まためまいやフラつきなども訴えの多い症状です。めまいには自分の周囲をグルグル回るように感じる回転性のめまいと、眼の前がクラクラしたり、自分の体がフラフラするように感じる浮動性のめまいとがありますが、本症では過労や心身のストレスに由来する浮動性のめまいが多く、「足が地につかずフワフワした感じがする」「立ち上がる時にふっと気が遠のく」といった訴えが聞かれます。また首まわりや肩の筋肉が緊張して収縮し、血液の循環が悪くなるために肩こりや頚部痛として訴えることもあります。
もちろんこれらの症状は歯だけでなく、頚椎、眼、耳、あるいは内臓の疾患でも起こることがありますが、そのような原因が見当たらない時は、歯のくいしばりや咀嚼筋の緊張状態などを参考にして診断します。また時には耳鳴りを訴える人もおります。耳鳴りとは「音がしていないのに耳の奥でガサガサあるいはキーンという雑音が聞こえる」と訴えるもので、耳に物が詰まっているように感じる「耳閉感」や音が急に聞こえなくなる「突発性難聴」などで現れることもあります。
循環器や呼吸器、貧血などの病気で動悸や息切れが出やすいことは御存知の通りですが、器質的病変がないのに動悸や息切れが出現する時も本症が疑われます。心身症と診断されて軽い安定剤を常用している人もおり、広い視野からのアプローチが望まれます。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その5)
現在使っている「入れ歯」に、不自由さや抵抗感を抱いている方は結構いらっしゃいます。取りはずすことに恥ずかしさや格好の悪さを感じる方も多いようです。奥歯が入れ歯の場合には、会食中でも他人に知られることは少ないのですが、前歯の場合には少し様子が違います。食事中に不意に外れることがあるからです。
症例5 N・S、女性。48歳。前歯4本の歯が欠損。来院時すでに入歯を装着。数年経つとのことですが、自分の娘の手前、どんな方法でもいいから、取り外しの入れ歯をしたくない、というのがご希望でした。お話には出ませんでしたが、雰囲気では娘さんの結婚式を意識されているようでした。
犬歯とその奥の小臼歯が健全な歯でしたので、ブリッジは十分に可能なことは、まず最初にお話をしました。しかし、その場合、健康な自分の歯を4本も大きく削る必要がありました。インプラントなら健康な歯には全く手をつけることなく可能なので、迷わずインプラント治療を選択されました。
4本の欠損なのですが、2本のインプラントで十分でした。4カ月後には入れ歯から解放されました。価格の面でもブリッジよりも、わずかに高いだけになりました。自分の健康な歯にダメージを与えることなく、経済的にも負担増がわずかなら、この患者さんの選択は賢明だったと思います。
◎ インプラントの本当の役割
当院に来られる患者さんの中には顔面の歪み、目の大きさの左右非対照や顎のたるみをなくしたいなどの美容面でのお悩みを抱えて来られる方も少なくありません。そんな症状のほとんどは歯の咬み合わせが原因となって起こっています。咬み合わせが悪いケースではまず顎が変位して首が傾きます。やがて肩の高さが変わり、背骨や腰の曲がりに影響を及ぼし、ひいては全身の歪みを引き起こします。
私の知り合いにひどいヘルニアで悩んでいるエステティシャンの方がいらっしゃいました。その方の口をよく見てみるとヘルニアの典型的な原因が見受けられましたので、
咬み合わせを治せばヘルニアの症状も消える事を伝えました。その後、彼女は咬み合わせの治療を受け実際にヘルニアを完治しましたが、本題はここからです。咬合治療と西村式の美顔力治療を併用したところ、その場で二重まぶたがクッキリとなり表情も驚く程明るくなったのです。鏡を見た彼女も自分で驚いており、その次の来院の際に『知り合いの人たちにどこで整形手術をしたの?』と聞かれたと嬉しそうに話していました。
その他にも鼻筋がどちらかに傾いている、左右の目の高さ・大きさに違いがある、口角のどちらかが下がっているもしくは上がっている、左右のどちらか一方にだけ湿疹
や老人性斑があるなど、これらの症状も咬み合わせに問題があるケースがほとんどなのです。
さて、近年のインプラントの普及でその言葉は大分浸透してきており、入れ歯にするかインプラントにするかという話をよく聞きますが、一番重要なのはその使い方です。咬み合わせをきちっと立て直すためにインプラントや入れ歯を用いるわけですが、元の歯が全くなくて入れ歯が安定しない場合、歯茎が下がったことで入れ歯が神経を刺激して痛みを伴う場合などのように、入れ歯を使うことが出来ないケースがあります。しかし1本、あるいは2本の少数のインプラントを入れる事により、今まで施せなかった治療が可能になり総入れ歯でも安定して苦痛なく使えるようになります。この時にインプラントの本来の役割が最大限に発揮されます。美容面だけでインプラントを選ぶのではなく、状態によって必要となる場合にのみ、最低限必要となる本数をきちんと提案してくれて、高い技術を持った歯科医に相談してから治療を受ける事をお勧めします。そして自分の歯として長く付き合って行く為に、治療後も定期的な検診を行っていく事が大事だと思っています。
冒頭に述べた美容面での事だけでなく、肩こり、偏頭痛、腰痛、背中や手首の痛み、膝の痛みも咬み合わせが原因で起こっている場合が多くあります。それらの症状が思い当たる方は、一度お気軽にご相談下さい。
◎ 自律神経失調症と歯の噛み合わせ
今では身近になった「自律神経失調症」ですが、この病名がはじめて使われたのは1961年(昭和36年)頃のことです。この病気の定義や治療法はまだ確立したとは言い難いというのが現状です。
現代医学では「特定の病気には、特定の原因がある」という考え方に基づいております。病院を受診するとまず最初に病状やその経過を詳しく聞かれ、一般の診察に続いて原因の検索のために検査が行われます。しかし診察しても、またいろいろな検査を行っても、症状に見合う異常所見が認められない場合があります。皆さんの中にもそのような経験をされた方が数多くおられることと思います。
最近では心身のストレスが原因で自律神経のバランスが崩れ、さまざまな身体症状あるいは精神症状が引き起こされると考えられるようになり、一般の内科でも自律神経失調症という病名がつけられることが多くなってきました。しかし自律神経失調症という病名は、正式な病名として公認されているわけではありません。真の病名が確定するまでのとりあえずの診断名として多少乱用気味の感もありますが、日本心身医学会では「さまざまな自律神経系の不定愁訴(原因がないのに不快な症状がある)を有し、しかも器質的な病名を見出し得ず、明らかな精神障害のないもの」と定義されています。言い換えますと、身体所見や臨床検査に異常が発見されないにもかかわらず、異常感、不快感を訴えている病態のことです。
自律神経系に何らかのトラブルが起こって、各器官のコントロールがうまくいかなくなりますと、さまざまな体の異常を感じるようになります。例えば運動もせず安静にしているのに突然心臓がドキドキと強く打って呼吸が苦しくなる。暑くもないのに汗が流れるように出る。夏なのに手足の先が冷たくなり、目が疲れて開けているのもつらい。体がだるくて何もする気が起きない…など、また不安感や気持ちの落ち込み、集中力低下、イライラなど精神症状が前面に出ることもあります。
次回は歯の噛み合わせの異常がもたらす自律神経系の失調症状についてお話しましょう。
◎ 学童期の歯の生えかわり
乳歯から永久歯への交換は六歳ごろから始まりますが、乳歯と永久歯が混在している状態を混合歯列といい、学童期がこの時期にあたります。成人は最終的に上顎、下顎、左右それぞれ八本、すなわち三本の前歯(3番目は犬歯、俗に糸切り歯とも呼ばれている)と二本の小臼歯、そして三本の大臼歯の計三十二本を有するわけですが、十二歳から十三歳には、第三大臼歯(親知らず)を除いた二十八本の永久歯が完成します。
歯の生えかわる順序には多少個人差が認められますが、図のように上下左右に目まぐるしく入れ代わります。この変化に伴い顎骨は前後左右に大きく成長し、特に六歳臼歯(第1大臼歯)が生えてきますと咀嚼(そしゃく)力は著しく増加しますので、少し固めの食物を与えてよく噛むことを習慣づけることが大切です。しかし歯のぐらつきや抜け代わりによる欠損などで噛みづらかったり、物がはさまったりと、咀嚼力にムラが出ることも理解せねばなりません。このようなときは歯の不備を考慮した調理献立が必要で、また食事時間を十分とってやることが望まれます。しかし最近の子どもたちは噛まずに食べられる「柔らかメニュー」を好む傾向があり、唾液分泌の不足や歯周病などの増加が問題になっていますので、安易に子どもの嗜好に迎合することは慎んでください。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その4)
歯は虫歯で神経を取ってしばらくすると、極端にもろくなり、割れやすくなります。ちょうど、生木と切った木の違いと同じで、見かけは同じようなのですが、薪に使うのは切った木なのです。
症例4 M・T50歳。男性。20歳代で左上の前歯を一本、神経の治療を行い、すぐに差し歯にして、20年以上そのままで順調でした。最近その歯の歯肉が腫れ、噛むと少し痛みを感じるようになりました。レントゲン撮影では異常は認められませでした。
診断:歯根破折。要抜歯。
治療方針:入れ歯とブリッジとインプラントの3種類を説明。“その歯の両隣が無傷の歯であるので削りたくない”ことと“取り外しの入れ歯は格好が悪くそれに入れ歯にはまだ若い”ということで、インプラント治療を選択されました。
治療内容:抜歯と同時にインプラントを入れました。インプラントの周りに骨が不足していたので、骨移植をして終了。5カ月後に左右の歯と同じようなセラミックの歯を入れて完成です。
この患者さんは非常に賢明です。健康な歯は、一度削ると、もう二度と元に戻ることはなく、弱くなってしまうのを、20年間で身を持って体験をしたからです。
40分ほどの手術時間が長く感じる方は、静脈内鎮静法を使うと、全く時間と恐怖を感じることなく、手術を受けることが可能です。
◎ 神経系「自律神経」と歯の噛み合わせ
自律神経は心臓を動かしたり、汗をかいたりと、自分の意志ではコントロールができない神経で、交感神経と副交感神経とに分けられます。
前回、交感神経は起きているとき、緊張しているときの神経であり、副交感神経は寝ているとき、リラックスしているときの神経であると説明しましたが、両者はひとつの臓器・器官を二重支配しており、その「活動」と「休息」という対照的な相反する作用は間脳の視床下部において調節されています。
自律神経は体温調節、ホルモンの分泌、免疫の調節など、生命維持に必要な根源的な活動だけでなく、怒りや悲しみといった精神的な活動にも多大な影響を与えます。例えば怒りや恐怖などの不快な刺激を受けると交感神経が興奮して動悸や発汗が起こりますが、通常は刺激がなくなれば症状はおさまります。しかし何らかの理由で刺激が長く続き、精神的な負担が増大すると交感神経の興奮・緊張状態が続き、副交感神経とのバランスが崩れてしまいます。視床下部のコントロール機能が損なわれ、自律神経の基本的なリズムが逆転してしまいます。両者の適切な切り替えができなくなって健康を損なったのが自律神経失調症です。
普段、我々の体は、昼間の活動の時間帯は交感神経が主に働くようになっています。夜更かしや朝寝坊をするとこのリズムが狂ってしまい、失調症の原因になります。1~2日くらいの夜更かしなら、間もなくもとのリズムに戻りますが、他にも多くの要因があります。例えば受験勉強や夜勤など、また、人体のリズムを無視した生活および社会環境の変化、仕事や人間関係などによる過度の心身ストレス、女性特有のホルモン変化などです。
歯科領域では歯の噛み合わせの悪さが姿勢や骨格のゆがみを招き、自律神経の失調が起こることが知られています。治療には自律訓練法、薬物療法、心理療法、音楽療法、理学療法とともに、口腔内スプリント装着による歯の噛み合わせ改善療法が効果をあげています。
自律神経が正常なときは、体が健康といえます。しかし食事、睡眠、運動など、自己管理によるライフスタイルの見直しは不可欠です。
◎ インプラントのビフォー・アフター(その3)
歯は全部で28本ありますが、大きく分けて、前歯と奥歯に分けられます。前歯は物を切断し、奥歯でそれを細かく磨り潰す、という役割分担をしています。奥歯には大きな力がかかるために抜歯の憂き目に合いやすいのです。ですから、左右の奥歯を均等に使うのが、歯を長持ちさせる「コツ」なのです。
症例3 M・N、男性。58歳。『左の下の奥歯が無くなって2年ほど経つけれど、なんとなく噛みづらくなった。左上の歯を使っていないので心配になってきた』
この患者さんは非常に賢明でした。右の歯だけでも、食事は摂るのに不自由は無いのですが、歯は、使わないでいると延びてきて、ダメになってしまうのを覚えていたのです。それに、右だけで噛んでいると、大切な右の歯も負担がかかりすぎて、ダメになる可能性も高くなります。
そこで、左下に2本のインプラントを入れました。男性にはありがちなのですが、手術に対する恐怖心は強い方でしたが、顎の骨の状態が極めて良好でしたので、おおよそ、30分で終了しました(今では、静脈内鎮静法を使うと、全く恐怖と痛みを感じないで手術が可能です)。
お世辞が入っていますが、右の自分の歯より良く噛める、とは患者さんのお言葉でした。
Q 今春から営業職になったので、歯を白くしたいのですが、どんな方法がありますか?(25歳男性)
A 進学や就職など新しい環境になる方も多い春ですが、歯を原因に笑顔で話しづらい方もいるのではないでしょうか。特に歯の色は、第一印象を大きく左右するので気になる方も多いでしょう。
歯の色や形などの審美性を回復するには、いろいろな治療法があります。単純に、歯石やヤニで汚れている場合は、クリーニングすればきれいになります。歯質の中に色素が沈着している場合は、薬剤で歯面を漂白する方法があります。一般に歯科でいうホワイトニングというのはこの事です。
また虫歯が進んで歯が黒ずんだり欠けたりしている場合は、削って白い樹脂やセラミックを詰めます。歯冠が崩壊している場合は、差し歯にします。歯科医に相談すれば、歯の状態に合った最も適切な処置をアドバイスしてくれるでしょう。
Q 子供の歯並びが気になっています。矯正はいつごろ始めたらいいのですか?
A 治療開始に最も適した年齢は症例によって異なります。目安として、下顎前突(受け口)では上の前歯のはえかわる6~7歳くらい、上顎前突(出っ歯)、叢生(凸凹)では小臼歯のはえかわる8~10歳くらいが顎の成長を有効に利用できるため適しています。歯のはえかわりや顎が成長する時期には個人差があります。また、虫歯などで乳歯を早期に抜いてしまうと永久歯のはえるスペースが足りなくなってしまうこともあります。お口の中の状況を把握しておくため、早目に一度、矯正専門の歯科医師にご相談されることをおすすめ致します。
Q 歯が弱いのですが、いい方法はありますか?
A 歯が弱いとはどういうことでしょうか? 歯の健康を考えるのなら、口腔全体で考えることが必要です。口腔を家に例えるなら、歯は柱・歯周と骨は地盤です。地盤をしっかりするには歯周の改善治療、柱を修復するには歯の根っこの治療や矯正が必要です。柱が減ってしまったら新たな柱であるインプラント、美しい家にしたいなら審美歯科が必要でしょう。
こんな風に考えると、“歯”をより良く護るには、口腔をトータルに診ることが必要であるといえます。この観点から、ご自分の口腔について考えてみてはいかがでしょうか?当院では、ほぼ全科に精通した知識と技術でトータルに診断しています。心配なことがありましたらご相談ください。
Q インプラント治療について教えて下さい。
A インプラントは入れ歯とは違い、機能的にも審美的にもまるで自分の歯のような感覚で物を噛んだり、話をしたりすることができます。現在、世界中の多くの方に大変ご満足戴けている治療法です。
インプラントは専門的な知識と高度な技術を要するため、当院では認定医および国際指導医が治療にあたります。患者さんに優しいMI(最低の侵襲)の治療では、手術時間は30分~1時間位、痛みや腫れは全くありません。また、費用負担の少ない経済性重視型のインプラントもありますのでご相談下さい。
当院ではインプラントは入れ歯の代用品ではなく、第2の永久歯と考えております。
Q 新聞・雑誌などで矯正の新しい治療法についての紹介記事を見ましたが、どのような治療法でしょうか。
A この新しい矯正治療法はデーモンシステムといいます。革新的なデーモンブランケット(歯に接着し矯正用のワイヤーを入れる器具)を使用することによってほとんど摩擦抵抗なく効率的に歯を動かすことができます。また、特殊な矯正用ワイヤーを使用するため、非常に弱い力で歯を動かすことができ、歯を支えている組織に大変やさしい治療法です。以上の特徴をまとめてみますと従来の装置に比べて、【1】より効率的な歯の移動と治療期間の短縮、【2】痛みが少なく、快適な治療、【3】装置のデザインが洗練されていて見た目の違和感が少ない。さらに、「この歳では…」と矯正治療を躊躇されている成人の方にまさに相応しい矯正装置です。
Q 小学1年の息子が虫歯に。予防するには?
A 小学校の低学年は特に、虫歯の発生に気をつけなければいけません。
この頃のお子さんは、仕上げ磨きを卒業する時期ですが、まだ自分で上手に磨けなかったり、習慣づいてないため磨き忘れたりすることがあります。また、永久歯がだんだん生え始める時期ですが、まだ表面の石灰化が弱かったり、歯肉のわきや乳歯に歯垢がたまりやすかったりと、虫歯になりやすい条件がそろっています。予防には十分な歯磨きが不可欠です。さらに、歯科医院でフッ素塗布やシーラントという歯の溝を樹脂で埋める予防処置も効果的です。逆に、この時期の十分なケアは今後の歯の健康にとてもプラスになります。治療だけではなく、予防についても歯科医に相談すると良いでしょう。
Q 虫歯が進行するとレーザー治療ができないというのは本当ですか?
A レーザー治療には大きく分けて虫歯を対象にするものと、歯周病や口内炎などの軟組織を対象とするものとがあります。虫歯は歯髄(神経)まで達するような深いものはレーザーを当てるだけでは治せませんが、かなり深くて歯髄直前のものなどは、レーザーで殺菌できるために歯髄を残すことができることもあります。特にレーザーでの虫歯治療は、浅いものの場合は痛みがほとんどなく麻酔を必要としないことが多くお子様や妊婦さんにも安心です。また、この4月から健康保険に導入されましたので、患者様の負担も軽減されていると思われます。歯周病の原因の歯石を取ったり、歯肉の腫れを除去したりも得意なので一度歯医者さんでご相談ください。
Q なぜ定期健診に行くと虫歯や歯周病の予防になるのですか?
A 確かに不思議ですよね。チェックだけでは効果的な予防とはいえません。大事なのは定期的なクリーニング(歯の表面のヌメリを定期的に破壊し除去すること)です。悪玉菌のすみ家となるヌメリは台所のシンクのように歯ブラシでは除去しきれないため、専門の清掃器具で全ての歯の表面を30分~1時間かけてツルツルピカピカに磨きあげます。最後にフッ素コーティング(歯のテフロン加工のイメージ)を行います。ヌメリは約3カ月で再生してしまいますが、定期的にクリーニングで除去し続けます。北欧では30年前に子どもの定期的クリーニングを導入した結果、虫歯は激減し大人の総入れ歯も過去の遺物になりつつある国があります。ご自分の歯、お子様お孫様の歯を守りたい方へおすすめです。
Q 原因不明で治らない歯や横に埋まっている親知らずが心配です。よい対処方法はありますか?
A 現在のX線撮影法では複雑な頭顎部の病変の把握が困難な場合がありますが、最新歯科用CTは3次元画像や立体画像等、多彩な画像処理で患者さんの状態を多角的に診断できます。埋まっている親知らずと神経(下顎管)との3次元的な位置関係や根の数、走行、根の病巣の広がり、歯周病やインプラント治療においても歯槽骨の吸収状態を正確に把握でき、術後も骨の状態を確実に管理できます。原因のわかりにくい部位、痛みの消えない部位のみをCT撮影する事が可能なため、非常に少ないX線量で正確な情報の把握・診断ができます。CT検診により根尖病巣・歯周病等の予防及び早期発見・早期治療が可能になるでしょう。
Q ホワイトニングについて教えてください。
A ホワイトニングとは歯を削ったりせずに、白くする医療行為です。もちろんホワイトニングを行うことで、歯が悪くなるということは一切ありません。そのメカニズムですが、使用する薬剤の主成分である過酸化水素が歯の中の着色物質を分解することで歯の透明度が上がりその結果、白くなります。ホワイトニングには2種類のやり方があります。ひとつは歯科医院で行うものでオフィスホワイトニングといいます。歯に薬剤を塗布しその後ハロゲン光と呼ばれる光を歯にあてて白くしていきます。約45分間程度で終わります。もうひとつは、専用のマウスピースを作りその中に薬剤を入れてご自宅で装着していただくものでホームホワイトニングと言います。
Q インプラント治療を行っている歯科がたくさんありますが、選ぶ際に気を付ける点はありますか?
A インプラントの治療と一言で言っても、治療後のメンテナンスも含めると長期的な治療になります。ですので、選ぶポイントの一つとして信頼できる担当医を決めることです。
インプラントの治療法は口腔内の部位によって難易度も違い、治療法も様々ですので、きちんとした下調べも必要です。
自分の症状がどういったものなのかを専門医の先生との相談から始めることをおすすめします。
当院でも、日本口腔インプラント学会の指導医が在勤していますのでお気軽にご相談ください。
また、歯列矯正においても同じことがいえます。当院には専門医がおりますので、治療および相談だけでもお気軽におたずねください。
Q 定期検診はどのくらいの間隔で行けば良いでしょうか?
A 疾患を未然に予防し、健康を保つには定期検診はかかせません。ただし「何カ月」、「1年」などと一様に決まったものではないと私は考えています。近年、歯科医学領域においても「患者の状態を改善させるための臨床判断は科学的根拠に基づかなければならない」というEvidence Based Medicineの考え方が広まっています。つまり歯科医師の経験や主観だけではその根拠は弱く、各個人での歯科疾患のリスクを科学的に評価して決めるべきでしょう。ですから唾液検査や、リスク判定のための各種検査は科学的根拠となるかもしれません。定期検診の度に切削等の処置を受けられている方はリスクについて調べてもらった方が良いかもしれません。
Q インプラントを長持ちさせるためにはどうすれば良いでしょうか?
A 最近のインプラントは材質や形状の改良が加えられたため、以前に比べて長持ちするようになりましたが、お手入れを怠ると問題が生じます。せっかく高額の治療をしても、処置をしたままの状態で放置していると、「インプラント周囲炎」という、顎の骨が溶けてなくなり、植立したインプラントが抜けてしまう病気にかかる恐れがあります。公式のデータではありませんが、1~3%の頻度で発症しているとのことです。歯周病に近い症状ではありますが、発症すると進行は極めて急速です。個人差はありますが、2~6カ月ごと(状態によって期間は異なります)の検診・メインテナンスが必要です。家庭でのホームケアとクリニックでの定期的なメインテナンスで予防し、長持ちさせていきましょう。
Q 歯が弱いのですが、いい方法はありますか?
A 歯が弱いとはどういうことでしょうか? 歯の健康を考えるのなら、口腔全体で考えることが必要です。口腔を家に例えるなら、歯は柱・歯周と骨は地盤です。地盤をしっかりするには歯周の改善治療、柱を修復するには歯の根っこの治療や矯正が必要です。柱が減ってしまったら新たな柱であるインプラント、美しい家にしたいなら審美歯科が必要でしょう。
こんな風に考えると、“歯”をより良く護るには、口腔をトータルに診ることが必要であるといえます。この観点から、ご自分の口腔について考えてみてはいかがでしょうか?当院では、ほぼ全科に精通した知識と技術でトータルに診断しています。心配なことがありましたらご相談ください。